ここみち便り:愛される理由
こんにちは。
プロフェッショナル・コーアクティブ・コーチの畑中景子です。
シルバーウィーク前半は、日本は天候が大きく荒れました。
皆様、ご無事でいらっしゃいますように。
19日(月)は、英国でエリザベス2世の国葬が行われた日でもありました。
全部ではないですが、一部、BBCのYouTubeライブで見ておりました。
ご存命中から女王の人気は高かったという認識ですが、
崩御されてからの様子は、英国国民はもちろんのこと、世界からも、本当に愛されていた方なのだということが伝わってきました。
私も、あの威厳と、ユーモアと、チャーミングな笑顔がとても好きでしたので、淋しく感じています。
現代の王室は、政治に直接携わるわけでもない。
数多くの公務は行っているけれども、全ての国民に直接的に何かが届くわけでもない。
なのに、なぜ、こんなにも愛されるのか。
女王の言葉をふりかえっていて、いくつか、その鍵を見たような気がします。
ひとつには、開かれていること。
「開かれた王室」は女王が目指していた世界でもありますが、形式的に門を開くというだけでなく、自然な表情など、パーソナルな部分が垣間見えるところからこそ「開かれている」ことが伝わっていた感じがします。
喜ばしくないことが続いた時も、「ひどい年だった」と率直に言う姿には、人間らしさも感じます。
もう一つは、1957年のクリスマスのスピーチの中に感じました。
「私はあなた方に法律を与えたり、正義を執行したりすることもできません。ですが、私にできることは他にあります。それは、この古き良き国に生きるすべての人々に、私の心と献身を捧げることです」
心を捧げる。
私たちは、人に何かをしてあげたい、貢献したい、と思うとき、つい、何をしてあげるか(Doing)で考えます。
もちろん、具体的なDoingはとても助けになりますが、色々な事情でそれが叶わないときもあります。
行ってあげることができない、役に立てることがない、何もしてあげられることがない、相手が何も寄せつけない……。
物理的に何かしてあげられなくても、心を寄せることはできます。
Beingで力になる、とでも言えばいいでしょうか。
何かしてもらえなくても、誰かの存在や励ましの気持ちがとても自分には助けや支えになっている、ということは誰しも経験があるのではないでしょうか。
実は、心を寄せる方がよっぽど難しいかもしれません。
お金を送ったり、手を貸しに行くことは、その時は「やった感」「やってもらった感」が双方に生じます。
何かをしてあげた方は、貢献したという満足感や達成感、さらには相手からの感謝を受け取ることもできます。
恩を売ることができる時もあるかもしれません。
もう自分がやることはやった、なんていう気持ちになる時もあります。
心を寄せるのは、直接的な感謝を得られやすいものではないですし、そもそも相手に届いているのか、相手がそれを知っているかもわからない。
心を寄せてもらっている側は、日頃、普通に生活している時には、気づかないことの方が多いだろうと思います。
感謝を期待していてはできないこと。感謝があろうがなかろうが、その人や組織や国が幸せであることが一番嬉しいこと。
さらには、具体的に手を動かすことではない分、自ら意識していないと、続けられないことです。
終わりがないことでもあります。
意識を向け続ける。それは、目には見えない膨大な筋力を使う仕事です。
少し脱線しますが、引退や他界を惜しまれる経営者などもこういう方々なのではないかなと。
即位以来、届くか届かないか、届いていることに国民が気づいているか気づいていないかに関わらず、状況が良い時も悪い時も、これを自らのdutyとserviceとして続けてきた70年間が、女王をこれほどまでに愛される存在としたのではないかと思います。
心よりご冥福をお祈りいたします。
以前、皇居の勤労奉仕に行った時に、天皇(今の上皇)ご夫妻が毎朝、日本の安寧を祈っていらっしゃると聞いたことも思い出しました。 どうぞ、今日も良い1日を。
参考記事:
BBC News Japan 【評伝】 エリザベス2世、強い義務感が支えた長い治世(2022/9/9) https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-62842372
VOGUE Japan 国民のために生涯を捧げた、エリザベス女王の7つの名言(2022/9/12) queen-elizabeth-ii-7quotes
COSMOPOLITAN 読むと力が湧いてくる!「エリザベス女王」が残した名言集(2022/9/9) https://www.cosmopolitan.com/jp/entertainment/celebrity/g32204622/queen-elizabeth-94th-birthday-great-quote-throwback/?slide=4
Google Arts & Culture エリザベス2世の戴冠式 (当時の色々な写真、フィリップ王子との出会いなど) https://artsandculture.google.com/story/cAVRRZ3GjxkA8A?hl=ja
※このGoogleの機能、初めて見ましたが、かなり充実していて興味深いです。
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畑中 景子
国際コーチ連盟認定プロフェッショナル・コーチ(PCC) 米国CTI認定プロフェッショナル・コーアクティブ・コーチ(CPCC、https://www.thecoaches.co.jp) ザ・リーダーシップ・サークル認定プラクティショナー(TLCCP、https://leadershipcircle.com/ja/home/) ビガーゲーム認定トレーナー(https://www.biggergame-japan.com) web:https://coaching.cocomichi.club(面白く生きる!) blog:https://www.cocomichi.club (ここみち読書録) https://note.cocomichi.club (ここみちノート) podcast:https://anchor.fm/dokuritsugonoreal/(独立後のリアル) Twitter:https://twitter.com/keikotrottolina LinkedIn:https://www.linkedin.com/in/keiko/