クインタレッリは23号車のスタートドライバーとして、冷えたタイヤに熱を入れるという大きな課題に直面していた。2周のフォーメーションラップの後、レースがスタート。クインタレッリは信じられないような最高のオープニングラップで観客を魅了する。6位スタートから順位を上げ、4ワイドからアウトサイドムーブでなんと1周目でトップに立つ。しかし、ライバル勢より速いスピードで走っていた23号車は、予想以上に早いタイヤの劣化により徐々にペースが落ち、わずか数周で9番手まで順位を落とす。ピットインの指示が出ると、ドライバー交代と給油作業、そしてタイヤ交換では別のタイプのコンパウンドに履き替えたが、チームメイト松田次生選手も同様、厳しいレースを強いられ、最終的に9位でチェッカーを受けた。シリーズランキングでは、23号車は6位で2020シーズンの幕をおろした。
最終戦は特に厳しいものだったが、クインタレッリは観客を魅了するスタートを見せることができた。またチャンピオン獲得は叶わなかったが、シーズン通して2度の勝利をおさめ、最後までチャンピオン争いに加わることができた。
ロニー クインタレッリ
「今週末、私たちは100%の力を出しました。そして最初の数周だけでしたが、ファンの皆さんに夢を与えられたことが、富士での週末で唯一良かったことかもしれません。路面温度がこれほど低かったので、タイヤの抵抗力は全く足りず、9位が精一杯でした。全体を通して、どうにか完走したような厳しいシーズンでしたね。その中でも鈴鹿の2勝がいつも僕たちの背中を後押ししてくれていました。8戦中4戦あった富士戦では残念ながら一勝もできず、毎戦富士では何かを掴み取れないまま終わってしまいました。2020シーズン、いつも最高のGT車両を提供するために尽力してくれている全てのスタッフたち、そして最後の最後まで僕たちを応援してくれた全てのファンに感謝しています。本当にありがとうございました。」
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